『キングスマン』コリン・ファースのベストアクトは『英国王のスピーチ』ではなくトム・フォード監督作『シングルマン』である。
『キングスマン』で英国紳士っぷりが板についてきたコリン・ファース。
既に『英国王のスピーチ』で演技力は高い評価を得ている名優。
けれど彼の最高傑作は『シングルマン』だと思うのです。
というのが今回のお話。
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『シングルマン』はファッションデザイナーであるトム・フォードの初監督作品。
『キングスマン』でコリン・ファースに興味を持ったならぜひ観ていただきたいのですが、
とにかくファースが麗しい、のですよ。
もともとトム・フォード自身がゲイであり長らくパートナーと同棲していたらしいんですが、
そのゲイならではの几帳面さが画面の隅々まで配慮され美学で埋め尽くされてます。
ストーリーの詳細はここでは語りませんが、ファース演じる大学教授が静かな邸宅で朝の支度をするその仕草立ち居振る舞いを観ているだけでうっとりするほど美しい。
クリーニングされたシャツを解き、
靴を磨き、
髪を整え、
鏡の中の自分に語りかける。
手慣れた朝のルーティンに孤独の影を反映させる演出。
(このシークエンスはちょっと『オールザットジャズ』の”It’s showtime,folks!”の影響があるのかも)
ナイスミドルの色気がビンビン伝わってきます。
加えて、一定のリズムを持ってゆったりと流れてゆく時間。
これ、部屋でビデオ観賞しちゃうと魅力が半減してしまうかもしれないですが、真っ暗な劇場の中でスクリーンを観ていると、ほんとうにもう映像の鼓動が心地よくて、このコリン・ファースになら許してもいいと思ってしまいたくなるくらいに陶酔してしまいます。
公開した劇場の数も多くはないのでかなりマイナーな作品になっちゃってるとは思うんですが、傑作です。
何年かおきに観てみたくなる、お気に入りの1本。
初見の時、1日だけの出来事であるとか主人公の境遇なんかから、ルイ・マル監督『鬼火』を連想したんですが、
ひょっとしたらトム・フォードは『鬼火』が頭にあったのかもしれません。
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考えたら『鬼火』もサティの曲が終始映画内のリズムを支配してゆるやかに流れてて、『シングルマン』と共通するものがありました。
やっぱり、かなり影響を受けてるのかも。
『シングルマン』劇中でコリン・ファースが着けている眼鏡はトム・フォードブランドのもの。
スタンダードなウェリントンタイプだけど、さすがはトムフォード、けっこうかっちょいいっす。
サイドの”T”のデザインがヒンジも兼ねているみたいですね。
ネットで探してみると、いちおうまだ入手可能らしい。
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こんなかんじ。
近頃自分もめっきり目が悪くなって映画観賞の際には眼鏡必須になったので、こういうのもいいかも。
(でもたぶん似合わないだろうが)
それにしてもコリン・ファース、『アナザー・カントリー』以来なぜか同性愛者の役を演じることが多いように思うのだが…そんなことはない? 気のせい??
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